中部電力(株)の「JERA碧南火力発電所」見学会を企画・実行しました!

2026年1月24日(土)に、中部電力(株)「JERA碧南火力発電所」見学会を企画し、朴 恵淑三重大学地域イノベーション学研究科客員教授・名誉教授/三重グリーン購入ネットワーク(三重GPN)代表幹事と安部大樹三重大学人文学部特任助教/三重グリーン購入ネットワーク(三重GPN)事務局メンバーを中心に、三重大学教員と学生/三重GPN会員/三重県地球温暖化防止活動推進員の18名が、中部電力(株)総務・広報・地域共生本部の桑原一孝環境グループ長と水谷容子様の協力を得て行いました。

地球温暖化に伴う気候危機によるエネルギー危機の顕在化が懸念されることから化石燃料からの脱却が必要不可欠となり、2030年の国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成、2050年の脱炭素(カーボンニュートラル)社会創生に向けて、日本や世界各国の叡智を集め、世界が一丸となって取り組むことが求められています。私たちの日常生活はもちろんのこと、非常時において必要不可欠なエネルギーの安定供給、生活の知恵を活かしたエネルギー使用の工夫など、多くのことを学ぶことのできた大変有意義な見学会でした。

日本は、2021年に、エネルギー政策の基本的な方向性を示す「第6次エネルギー基本計画」を策定し、エネルギー資源に乏しい日本は、安全性(Safety)を大前提に、環境保全(Environment)・安定供給(Energy Security)・経済性(Economic Efficiency)を同時に達成する「S + 3E」を基本方針に、エネルギー政策を進めています。日本は、「S + 3E」の達成のために、各エネルギーごとの強みを発揮し、弱みを補完するバランスの取れた「エネルギーミックス」の実現を目指しています。2030年までに、国の目指す電源構成は、石炭・石油発電21%程度・天然ガス発電20%程度、原子力発電20-22%程度、再生可能エネルギー発電36-38%程度、水素・アンモニア発電1%程度を目指しています。

中部電力(株)は、電力の安定供給を目的に高度経済成長期の電力需要増大などに対応する研究開発を行なっており、電力品質の向上に加え、2000年の電力小売り自由化に伴い、省エネや電化などの研究開発を進めています。現在では、新たな価値の創出(CSV)を目的として、2022年に「7つの重点分野」を設定し、脱炭素社会の実現及び客の快適性や利便性に対するニーズを先行する技術研究開発を加速しています。

「中部電力(株)の技術研究開発の重点7分野」の主な取り組みは、再生可能エネルギーの拡大、水素・アンモニアサプライチェーンの構築などの重点7分野の技術研究開発をグループ会社とも連携し、推進することとなり、具体的な取り組みは次のようになります。①再生可能エネルギーの拡大(低コスト浮体式海洋風力の技術開発) ②水素・アンモニアサプライチェーンの構築(カーボンフリー水素製造技術の研究) ③原子力発電の最大限の活用(さらなる安全性向上に向けた研究) ④エネルギープラットフォームによる価値提供(グリッド試験設備の構築・検証) ⑤データプラットフォームによる価値提供(IoTセンサなどによるデータ収集、ビッグデータ解析) ⑥お客様との接点拡大・価値提供(電化、加熱燃焼の代替技術の導入) ⑦資源循環事業の展開(資源の地域循環、希少材料のリサイクル技術開発)

「JERA碧南火力発電所」は、総出力410万kWの日本最大の石炭火力発電所ですが、既存の火力発電所におけるアンモニア混焼技術、アンモニアクラッキング技術への取り組み、燃焼実験棟でのアンモニア燃焼に関わる技術開発の取り組みを行い、2023年から世界初の二酸化炭素を排出しないゼロエミッション火力発電としての実証事業を行い、国内はもちろんのこと、世界のトップランナーとして高い注目を集めています。石炭火力発電は、細かく砕いた石炭を燃やした熱で蒸気を作り、タービン(発電機)を回して発電をすることから、地球温暖化の要因となる二酸化炭素を排出しますが、燃料を石炭からアンモニアに段階的に置き換えることで、二酸化炭素を減らすことができます。

アンモニアを漏らさないための安全への取り組みとして、地震・津波・洪水などによる被害を受けない頑固な安全設計を行うのと共に、機器故障や誤操作に備えた徹底的な未然防止対策についても説明がありました。碧南火力発電所構内を見て回り、参加者との熱心な質疑応答が行われました。

中部電力(株)の火力発電所のエネルギー効率が、世界のトップランナーであることは知っているものの脱炭素社会実現に向けた、(株)JERAの世界初の石炭とアンモニア混焼の先端技術を見学することができました。地球温暖化による気候危機およびエネルギー危機への対策として、全世界のすべての国が取り組むべく、脱炭素社会(カーボンニュートラル)創生に向けて、2015年12月の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において「パリ協定(Paris Agreement)」の採択以来、二酸化炭素をはじめ温室効果ガスの排出ゼロに向けた、世界初の石炭火力発電所においてアンモニアとの混焼による温室効果ガス削減の取り組みについて、多くのことを学ぶことができた大変有意義な見学会となりました。

「三重GPN」は、環境・SDGs・持続可能な循環型社会(サーキュラーエコノミー)および脱炭素(カーボンニュートラル)社会創生のための研修会や講演会などを開催するのと同時に、気候危機とエネルギー危機への賢明な対応について、中部電力(株)をはじめ、産官学民との緊密な連携によるエネルギー関連施設への見学会の実施など、持続可能な三重社会創生のプラットフォームとしての役割を充実に果たします。