三重大学人文学部主催の「三重の文化と社会研究センター」の学生研究成果報告会に参加しました!
2026年2月7日に、三重大学人文学部主催の「三重の文化と社会研究センター」の学生研究成果報告会に、朴 恵淑三重大学大学院地域イノベーション学研究科客員教授/「三重GPN」代表幹事は、総括コメンテータとして参加し、安部大樹三重大学人文学部特任助教/「三重GPN」事務局は、関係者として参加しました。
学生研究成果報告会には、三重大学人文学部生だけでなく、人文学部との高大連携を結んでいる、四日市農芸高校農業科学科の学生たちも研究成果を発表し、活発な討論を行いました。
人文学部の森 久綱教授が司会を務め、豊福裕二人文学部長からの開会挨拶がありました。人文学部主催の「三重の文化と社会研究センター」の学生研究成果報告会は、2020年度から始まり、学識経験者・行政・企業・団体関係者をコメンテータとして関わりを持たせることで、各々の学生研究成果報告について、専門家からのアドバイスを頂き、更なる発展的展開が期待できる、産官学民の緊密な連携に期待したいと述べました。
最初の発表は、四日市農芸高校農業科学科の高校生による「みのりプロジェクト〜竹間伐材を用いた持続可能な養鶏飼料の開発資源〜竹に命を!鶏に力を!地域にみのりを!」をテーマに、循環型養鶏の取り組みについての発表がありました。竹林間伐材から製造した竹粉飼料を給与した鶏卵の生産性は、標準飼料と遜色ないことが分かり、卵黄に含まれる脂肪酸造成は、オメガ3脂肪酸に分類されるα-リノレン酸などが増加傾向にあり、卵の高付加価値化の可能性が示されました。また、飼養コストにおいて、1羽の1ヶ月あたりの飼料費が10%代替区で35円の削減となるなど、竹粉を活用したエコ飼料の開発により、生産性や経済性で畜産業に大きな効果をもたらし、環境負荷にも配慮した持続可能な鶏卵生産の可能性が示されました。
続いて、三重大学人文学部法律経済学科の学生による3つの発表が行われました。森 久綱教授のゼミ生は、「地産地消が求められる社会・経済情勢」に関する発表を行い、地域資源を活かした農業モデルの可能性の検討および持続可能な食料システムに向けた視点について発表を行いました。日本の食料自給率が1960年代の約73%から2000年代には約37%に大幅に減少していることを示しながら、新しい農業のあり方として、6次産業化と農商工連携について期待できる部分および限界の分析を行い、地域活性化や地産地消に根差した取り組みについて、継続した研究を行うことが言及されました。
また、森 久綱教授のゼミ生で、卒業論文をまとめた佐々木綾佑さんの発表が行われました。「地域未利用資源活用における教育機関の触媒的機能と社会実装への課題〜産官学連携における経済合理性と教育的動機に着目して」の研究において、四日市農芸高校が取り組んでいる、エコフィードと放置竹林問題、みのりのプロジェクトへの企業と行政(朝日町)が協力する要因解明とプロジェクトの到達点の分析について発表を行いました。企業の社会的責任(CSR)から共有価値創造(CSV)への戦略において、経済的メリットではなく、「教育支援」が動機として動いていることを発表しました。
四日市農芸高校および三重大学人文学部森 久綱教授のゼミ生の発表について、(株)ケイクール社長で、リュミエールグループの唐渡 泰オーナーシェフは、エコフィードと循環型養鶏の成功事例の四日市農芸高校の取り組みによる、三重大学と行政(朝日町)・企業との産官学民の連携による成功事例を、料理と製菓を通じて、日本全国により広く伝えたいとコメントしました。
続いて、豊福裕二教授のゼミ生は、「外国人労働者に対する日本語学習支援の現状と課題」に関する発表を行いました。日本の外国人労働者の受け入れ政策の歴史的変遷において、1990年代の入管法改正と技能実習制度(1993年)、2010年代の技能実習生急増と特定技能制度(2019年)、2020年代の育成就労制度(2027年4月施行)について言及しました。三重県の外国人労働者数は、37,091人で、製造業に約43%、サービス業に約20%従事していて、ベトナム・ブラジル・フィリピン・インドネシア・中国・ネパール人が多く、四日市市には、全住民数の306,378人のうち、外国人数が12,856人で、外国人住民の割合が約4%を占めています(2024年12月)。四日市市の多文化共生の取り組みとして、ボランティアによる日本語教室が運営されていることが発表されました。ボランティアへのヒアリングにおいて、指導者不足、企業からのサポートおよび行政からの積極的な取り組みが課題として挙げられました。また、日本語学習者へのアンケートにおいて、職場の環境によって日本語使用の必要度に差があることおよび在住期間の長さが日本語能力の向上に大きく影響していることが分かりました。さらに、四日市市にある企業へのヒアリング調査において、人手不足により、外国人の雇用が増加していることが明らかになりました。
総括コメントにおいて、朴 恵淑三重大学大学院地域イノベーション学研究科客員教授/「三重GPN」代表幹事は、三重大学人文学部主催の「三重の文化と社会研究センター」の学生研究成果報告会の4つの発表は、「三重大学モデル」の成功事例として挙げられることから、更なる発展的展開のために、次の3つの側面への積極的な取り組みが必要であると強調しました。
(1) 国連持続可能な開発目標(SDGs)の成功事例となる「三重大学モデル」
誰一人取り残さないために、2030年までに全世界が取り組むべく、国連持続可能な開発目標(SDGs)において、三重大学人文学部主催の「三重の文化と社会研究センター」の学生研究成果報告会は、SDGsの成功事例になると強調しました。SDGsの17の目標のうち、特に、目標4 質の高い教育をみんなに、目標8 働きがいも経済成長も、目標10 人や国の不平等をなくそう、目標11 住み続けられるまちづくりを、目標12 つくる責任つかう責任、目標15 陸の豊かさも守ろう、目標17 パートナーシップで目標を達成しよう の成功事例として、学内外に積極的なアピールを行うように促しました。
(2) 三重県の産官学民のプラットフォームとなる「三重大学モデル」
三重大学人文学部と四日市農芸高校との教育機関の連携、行政との連携、企業との連携、団体との連携など、三重大学人文学部は、三重県の産官学民のプラットフォームとしての充実な役割を担っており、更なる発展的展開のために、学内外に積極的なアピールを行うように促しました。
(3) 次世代へのバトンを繋ぐ「三重大学モデル」
先輩から後輩へバトンを繋ぐための成功事例から学ぶノウハウの継承、失敗から学ぶ経験の共有、ネットワークの拡大など、常にコミュニケーションを図りながら前へ進むように呼びかけました。
最後に、岩﨑恭彦人文学部副学部長からの閉会挨拶がありました。人文学部主催の「三重の文化と社会研究センター」の学生研究成果報告会を通じて、自分たちの研究活動が、社会的にどのような意味があるのかに気付き、三重県はもちろんのこと、日本、世界との関わりを持たせることで、更なる発展的展開が期待できる大変重要な学びの場であると述べました。引き続き、学生の積極的な参加はもちろんのこと、産官学民の関係者からの継続的なご支援とご協力について言及しました。
三重大学人文学部主催の「三重の文化と社会研究センター」の学生研究成果報告会は、2020年度から始められ、三重大学人文学部と三重県、日本の産官学民との連携による、教育・研究・社会貢献に大きな実績を挙げており、特に、次世代人材育成の拠点として、国内外における三重大学人文学部の発展的展開が大いに期待できます。

