「渋沢史料館」を見学しました!

2023年11月25日に、朴 恵淑「東洋紡楠リノベーションセンター(TRC)」顧問が「渋沢史料館」を見学しました。

「東洋紡楠リノベーションセンター(TRC)」において、日本の資本主義の父と称される渋沢栄一と日本最大の紡績会社の東洋紡績の創始者であり、紡績王と呼ばれた第十世伊藤伝七、九鬼紋七との関わりにおいて、過去・現在・未来を繋ぐキーパーソンとなることから「渋沢史料館」を見学しました。

「渋沢史料館」は、東京都北区西ヶ原にある渋沢栄一の生涯と事績に関する博物館で、管理運営は(公)渋沢栄一記念財団が行っています。1982年11月15日に開館し、1998年3月には、新しい本館が開館し、北区飛鳥山博物館、紙の博物館と共に、飛鳥山3つの博物館の一つであります。

渋沢栄一(1840〜1931)は、第1国立銀行(現みずほ銀行)、東京商法会議所(現東京商工会議所)などの経済団体の設立、経営に関わり、関わった企業は約500社に及び「日本資本主義の父」と称されるだけでなく、商法講習所(現一橋大学)、東京女学館、理化学研究所設立などに関わり、日本の近代史において、教育研究事業、国際交流、民間外交の実践などに尽力された、日本の近代化の父としての大きな業績を上げた人物であります。

渋沢栄一の「論語と算盤(1916年)」に代表される、道徳経済合一の思想は、経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにするために、富は全体で共有するものとして、社会に還元することを説く内容となっています。「論語と算盤」には、その概念が次のように述べられています。「富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳であり、正しい道理の富でなければ、その富は、完全に永続することができぬ。」そして、「道徳と離れた欺瞞、不道徳、権謀術数的な商才は、真の商才ではない」と言っています。また、次の言葉には、渋沢栄一の経営哲学のエッセンスが込められています。「金銭資産は、仕事の滓であり、滓をできるだけ多く貯えようとするものはいたずらに現世に糞土の牆を築いているだけであります。」

渋沢栄一は、2024年7月の新1万円紙幣の肖像となります。日本を代表する経済人として、また、初代紙幣頭(後の印刷局長)として、日本銀行券(紙幣)の候補者として何度も選ばれましたが、実現に至りませんでした。当時は偽造防止のため、肖像には髭のある人物を使っていたことから、髭のない渋沢栄一を採用することは難しく、採用されることはありませんでしたが、今回、偽造防止の技術が向上し、紙幣改定により、渋沢栄一の肖像が採用されることに至ったことも分かりました。