三重大学北勢サテライト「SDGs研究会」第1回が開催されました

2019年2月8日(金)18時より、2月1日に発足した三重大学北勢サテライトの第一弾企画として、朴 恵淑教授が代表を務める北勢サテライト「SDGs研究会」の第1回講演会を開催しました。 本研究会は、主に自治体、企業、NPO、学校(教育機関)、市民などを対象として、2015年9月の国連サミットで採択され、2016年から2030年までに世界各国の政府・自治体・企業・教育機関・市民などのパートーナーシップによって取り組むこととなる「国連持続可能な開発目標(SDGs)」について学び、実行するためのプラットホームとなります。第1回の研究会には、地方創生の主体者として、自治体職員や企業経営者、大学生など、総勢21名が参加して開催されました。
研究会の冒頭、朴教授から、「日本はSDGsの17の目標に対して世界のトップランナーとして責任を果たしていける能力を有しているが、それを実行していくためには今の常識が明日も通用するという考えではいけない。この研究会では、世界の動向を見極めながら三重県の資産やポテンシャルをどう生かしていくかを一緒に考える。SDGsの達成には“人づくり”が不可欠であり、様々な人々が生涯を通じて考え、実行していかなければならない。この研究会ではSDGsに関する知見や情報等を共有しながら、地域と国際の両面を視野に入れた政策提案及び人材育成に取り組んでいく。」との趣旨説明がありました。

続いて、村井哲之氏(エネルギーマネジメント総合研究所/村井流通経営研究所代表取締役)をお招きし、「SDGsって何?」というテーマの基調講演が行われました。

(基調講演概要)
・SDGsはゴールではなく組織のビジョンを作るツール、ビジョンの達成度を推し量るツール、課題を解決するツールであり、組織の取り組みを17の目標との関係性を整理して納得しているようなものではない。組織が将来も生き残っていくためには、組織のトップが正しくSDGsを認識し、その視点で将来ビジョンが描けなければその組織の将来はない。SDGsは将来のビジネスモデルを描くツールである。
・世界では国家の枠を超えたグローバル化が進展するにつれ、貧困と格差が広がってしまった。諸外国では企業の社会的責任(CSR)が浸透しており、ヨーロッパではSDGsへの取り組みが企業価値を推し量る材料にもなっている。企業はビジョンに向かうプロセスで利益を得ている。世界的企業であるユニリーバは、SDGsのゴールとしてビジネスの規模を2倍、環境負荷を半分に設定している。
・日本でも、2017年には日本経済団体連合会が「企業行動憲章」を見直した。企業も社会の一員として社会的課題の解決に積極的に取り組む責務があり、国際統一目標であるSDGsの達成に向けて、技術が社会課題を解決していく姿勢を明確にした。国内企業の中でも、トップ自らがビジョンを明確化し、それを達成するための戦略の策定と実行するための組織を整備し、その組織を生かす評価制度に至るまで、ここまでするかというほど徹底的にSDGsを意識したビジネスモデルを作っている。行政はそういった企業を支援する姿勢が大事であり、大学はそういう行政や企業を支える立場である。

このような熱いメッセージを込めた基調講演に引き続いて行われた質疑応答では、参加者に対して、「SDGsをやるメリットは何かではなく、やらなければ生き残れないという認識に立つ必要がある」「大学職員としては、SDGsの知識を吸収し実践して、そこから学ぶことを繰り返し、相手と一緒になって考えることが重要。自治体の総合計画でもトップがビジョンやフィロソフィーを掲げ、それに基づいて戦略を落とし込むことが重要であって、様々な施策に17の目標を単純に関係付けるだけでは意味がない。ビジョンを練り上げるプロセスに意義がある」「企業の環境に対する問題意識が問われて久しいが、まだまだ実効性が欠ける背景については、企業側のコストの問題と消費者側の質として、多少のコストをかけてでも環境を守ろうという意識が醸成されなければならない」といったコメントなど、活発な意見交換が行われました。

北勢サテライト「SDGs研究会」の第1回は、SDGsに対する向き合い方を整理するなど、基本的なところからの学びの場として狙い通りのスタートができ、2時間を超える記念すべき第1回を盛況のうちに終えました。
第2回の「SDGs研究会」は、3月8日(金)の18時から、朴 恵淑教授による「分野横断型・多様な主体参加型持続可能な地域創生~国連持続可能な開発目標(SDGs)の戦略的取組」の基調講演と参加者全員による情報交流ワールドカフェを行う予定です。多くの皆様の参加を期待しております。